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ジミーおじさん現る!

ジミーおじさん現る!
ジミーおじさん現る!
お待たせいたしました。J美です。早いもので年が明けてからすでに1ヶ月が経とうとしています。昨日ジェイクは、約1週間のジャズ・クルーズの旅から戻ってきました。Dave Koz、 Earl Kluh、Marcus Miller、 Stanley Jordan、素晴らしいミュージシャンとのセッションを楽しんだようです。今日からはまたレコーディングが始まります。今年も新しいアルバムをリリースする予定ですので、皆さん楽しみにしていてくださいね!

さて、時はさかのぼり1月8日。ジミー・バフェットによるほぼゲリラとも言えるライヴが、ワイキキにあるジミー・バフェット・レストランで行なわれました。ジェイクも参加した約1時間ほどのライヴだったのですが、ごめんなさい、この告知はジミー側マネージメントの要望により当日ギリギリまですることができませんでした。オフィシャルにウェブサイトで告知することもできず、『口コミ』のみが許されました。ジミーおじさんのツイッター・ページにさえ、「金曜の夜にワイキキにいたら、ジミー・バフェット・レストランへ行ってみてよ、何かが起こるよ...」と書き込まれただけ。こんなんで人は来るのかなぁー、と半信半疑だったJ美ですが、実際、当日のレストランは大混雑。テーブルを確保することなんてもってのほか、立ち見もできずに会場の外から店内に備え付けてあるテレビ・スクリーンを見ながら場内の状況を眺めているお客さんが出るほど。お客さんの中には、ジミーのツイッターのメッセージを見て、ワイオミング州やカリフォルニア州から飛んで来た熱狂的なファンも(驚)! さすがです。

レコーディングの後、会場に駆けつけたジェイク、久しぶりにジミーと演奏するということもあって、とても楽しそう。前半と中盤にソロで演奏もしました。J美、ジミーの演奏を見たのは去年のワイキキ・シェルに続いて2回目ですが、その度にジミーと彼のファン(『パロットヘッズ』と呼ばれる)の間にある強力なエネルギーの凄さに驚かされます。切っても切れない何かで結ばれている、うーん、なんとも説明しがたいのですが、絶対的な何かがあるんです。そして、そのエネルギーに毎回呑み込まれて気づけば一緒に、「フィーン・トゥー・ザ・ライト! フィーン・トゥー・ザ・レフト!」(ジミーの「Fins」という曲に合わせてファンが踊る部分があるんです)なんて踊ってたり(笑)。ライヴ終了後は、レストラン内にあるサーフィン・ミュージアムでVIPアフター・パーティが行なわれ、ジェイクとK女史はミュージアム内へ。2人の長い夜はまだまだ続くのでした...。

翌日には、MUSIC IS GOOD MEDICINEのプログラムの一環でハワイ州立図書館でのパフォーマンスを行ないました。図書館の入り口のスペースを利用しての演奏でしたが、1階から2階までお客さんはぎっしり。約400人の来場者数だったそうです。タイル張りの室内だったので、音が響いてとてもいい感じ。「本当は図書館って静かにしなくちゃいけないところなのに、こんなマイクで話しちゃっていいのかなぁ(笑)」と場内を笑わるジェイク。演奏途中、ジェイクがこんな話を始めました。『自分が演奏を始めたのは、近所のコーヒー・ショップからだった。それから、だんだんと友達の誕生日式なんかで演奏を頼まれるようになって。今でも初めてお給料をもらった日のことを覚えているよ(笑)。確か、高校を卒業したばかりの頃だったんだけど、友達の結婚式で演奏を頼まれてね。いつものように演奏して帰ろうとしたら、その友達が封筒をくれたんだ。でも、僕はよくあるサンキュー・カードだと思って受け取ったんだよね。そして、帰りのバスの中でその封筒を開けてみたら、カードとお金が入っていたんだ。とてもびっくりしたよ。もちろんそんなつもりじゃなかったから、友達に返そうとしたんだけどね...(笑)』と。J美、知らなかったジェイクの昔話に何だか新鮮な気持ちになります。この日は、イギリスでベット・ミドラーと演奏をした「In My Life」もリストに加え約1時間の演奏は終了しました。

演奏の後、すぐにレコーディング・スタジオへ向かったジェイク。「ちょっと予定通りに進んでいないんだよね、色々やることが多くて...」と、どうやら今までにない手法でレコーディングを行なっているようで、時間がかかっている様子。スタジオで一体何か起こっているのか...。

@ハワイ州立図書館 音がきれいに響いています
@ハワイ州立図書館 音がきれいに響いています


1階から2階までいっぱい!
1階から2階までいっぱい!

2010年01月14日
ジェイクのアメリカ本土旅日記 byマネージャー
第211回:イギリス物語その5(最終回)

天使と女神の魔法のヴェール
天使と女神の魔法のヴェール
私達スタッフはステージ口のすぐ外に用意された巨大なテレビでステージの模様を見守ります。話しに聞いていた通り、他のアーティスト達は皆、日本の紅白歌合戦のように、衣装もパフォーマンスもかなり派手です。レディ・ガガに至ってはピアノを宙づりにして演奏しています。小林幸子ばりの衣装とあっと驚く仕掛けのセットで歌っているアーティストもいます。さあ、そしていよいよ、今夜のオオトリ、ベット・ミドラーの登場となりました。まず、イギリスのコメディアンだというMCがベット・ミドラーの短いプロフィールを紹介します。そしてステージの緞帳が上がり、ベット・ミドラーが華麗に姿を現しました。テレビの画面だとドレスのスパンコールがさらに光り輝いて、オスリンの施した透き通るような肌色とピンクのチーク、ロバートが手がけたお人形さんのような魅力的なヘア、そして、彼女のトレードマークである優しい笑顔が本当に素敵です。ベット・ミドラーは開口一番にジェイクをステージに呼び込みました。「今夜私と一緒に演奏してくれるのは、ウクレレプレイヤーのジェイク・シマブクロです」大きな歓声に大きな笑顔で応えるように、さっそうと登場したジェイク。落ち着いた足取りで自分が座る椅子に向かって歩きます。そして、ベット・ミドラーと目を合わせてお互いの準備が良い事を確認するかのように頷きました。私はテレビ画面の真ん前に陣取ってかじりつくような格好でカメラを構えながら、飛び出す寸前の心臓を飲み込むのに必死です。よしっ、椅子に座ったっ。これでもうジェイクの緊張は治まるはず。そう、ジェイクは本番に強い本番男なのだ!

会場は、一瞬で怖いほど静まり返りました。そして、天使が舞い降りて来るかのように厳かに始まった『In My Life』のイントロ。ジェイクが奏でるウクレレの音色が、イギリスはブラックプールのオペラハウスに響き渡り始めました。ベット・ミドラーは、優しい笑顔をさらに緩めてしっかりとジェイクを見つめています。そして……歌い始めました。ジェイクのウクレレの音色が天使の舞い降りる音ならば、ベット・ミドラーの歌声は、天使の翼からバトンタッチされた女神の魔法の杖。たったひと振りで聞く者達の心を虜にします。そう、天使と女神。二人は始終見つめ合いながら、お互いの存在を認め合うごとく、それぞれの魔法を「音」という姿に変えてオーディエンスの心の奥深くへと送り込んでいます。そして間もなく、二人が紡ぎだした魔法のヴェールがすっぽりと会場を包み込みました。神秘の瞬間です。全身に鳥肌が立って超興奮状態の私は、たぶん息をするのも忘れていたのだと思います。演奏が終わった瞬間に、大きな深呼吸が足のつまさきからお腹の深いところを通って、ふうぅぅぅぅぅっと溢れ出ました。ひゃ〜、肩と首がコチコチです。ベット・ミドラーと目だけでガッツポーズを取るかのように頷き合ったジェイクは、余裕の笑顔で椅子から立ち上がり、会場にお礼の投げキスをしてステージを下りて行きました。はぁ〜、終わった……。

ベット・ミドラーがソロで歌った『Wind Beneath My Wings』も、リハーサルで難儀していたモニターの問題も無くすっきりと、大歓声の中終了しました。と同時にMCがさっそうとステージに踊り出て、フィナーレのアナウンス。4時間近くに渡って行われたステージの出演者達が次々と、もう一度ステージ前方に進み大きくお辞儀をします。全員が揃ったところで感動的に緞帳が下りて全てが終了。ほほう、赤組白組の区別は無いものの、やっぱりこりゃイギリス盤『紅白歌合戦』だわ。豪華で楽しい年末のお祭り行事といったところです。が!実は、もうひとつの大イヴェントがこの直後に待っています。私的にはこれがこの『Royal Variety Performance』の最大のクライマックスだと思っているのですが、何と、もう一度緞帳が上がったところで、エリザベス女王がステージに上がり出演者ひとりひとりと握手をしてくれるのです。これこそ、一生に一度きりの大イヴェントと言えるでしょう。ジェイクもこの瞬間をそれはそれは心待ちにしていました。事前に、いろんな人が、女王に会う際のマナーというものを伝授してくれたのでそれなりに準備はしていたものの、画面に写ったジェイクそしてベット・ミドラーは、いったん解けたはずの緊張感が舞い戻って来たらしく、女王とのご対面の瞬間の笑顔にはかなりのぎこちなさが現れていました。

私達スタッフは楽屋に戻って来た二人を大きな拍手で迎え、今回のイヴェント成功を祝うと同時に、この三日間に築き上げたお互いのチームの「友情」を感謝し合いました。短い時間でしたが、奇跡の三日間。今後のジェイクのアーティスト人生を大きく変えて行く三日間となった事は間違いありません。ベット・ミドラーご一行は、チャーター便で今夜はこのままロンドンへ飛ぶと言います。レコード会社によってセッティングされたプロモーションはまだまだ終わっていないようです。必ずまた、いつかこの地球上のどこかで再会しましょうと誓い合い、何度も何度もハグし合いながら皆で別れを惜しみ、ジェイクと私はホテルへ戻る車に乗り込みました。

ロバートの楽しい話しも、それに茶々を入れるオスリンの声もしない、シーンと静まり返った車内。真っ暗闇の中を走るバンの乗客は私達二人だけ。急に疲れを感じ静かに目を閉じると、まるで空を飛んでいるかのようにふわふわとした気持ちになって来ます。もしかしたら夢だったのかしらん。ここはイギリスのブラックプール?今夜、本当にジェイクはイギリス女王の前で演奏した?ベット・ミドラーと?目を開けたら朝になっていて全ては夢だった、なんて言わないでよね?

ジェイクはやっと緊張と疲れがほぐれたらしく、全身を車のシートに身を任せ、ちょっと下向き加減に何かを考えています。そう、明日はハワイへ戻り、翌日には大きなイヴェントが待っています。そのイヴェントの事を考えているに違いありません。『Toys for Tots』という、恵まれない子供達のために行われるファンド・レイザーのコンサート。規模こそ違いますが、『Royal Variety Performance』もファンド・レイザー。 世界中、クリスマスのこの時期には無条件に人々が助け合う心が生まれるものです。日頃から慈善心旺盛のジェイクは、サンタクロースにでもなったかのごとくさらに多くの人達に自分の愛を送ろうと、この時期にはいろんなイヴェントに参加する事にしています。今年も、17日から日本に行くまで毎日分刻みでハワイ中の子供達や恵まれない人々の元を訪れ、仕上げには毎年恒例のホノルルマラソンでの演奏をし、心残りの無い充実したハワイの年末を過ごす事にしています。体はまだイギリスにありながら、心と頭はすでにハワイ。そしてハワイで待ち受けている数々のイヴェントの事、そして大勢の人達の事を考え始めているのです。

そんなジェイクを見つめていたら、今年のあれこれが走馬灯のように思い出されて来ました。2009年は今まで以上に「飛躍の年」だったね、ジェイク。マラソン断念など悔しい事もあったけれど、未だに信じられない素晴らしい出来事がたくさんあった。ずっと夢だったヨーロッパにも行く事が出来たし、年の締めはイギリス女王の前での演奏。どれもこれも、いろいろな人のサポートがあってこそ実現したプロジェクトの数々だった。そうして生まれた私達のこの幸せを、助けてくれた人達に感謝すると同時に、来年もまた世界中の人々と分かち合おうね。ウクレレという楽器を通して。





まだベット・ミドラーとの演奏をご覧になっていない方、以下をクリックしてみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=i72bN_Pk5bM&feature=related
ジェイクとベット・ミドラーは全くおんなじ格好とスマイルです(笑)。
ジェイクとベット・ミドラーは全くおんなじ格好とスマイルです(笑)。
エリザベス女王の向こうにいるのはジェイク。そう、エリザベル女王はジェイクに話しかけているのです。
エリザベス女王の向こうにいるのはジェイク。そう、エリザベル女王はジェイクに話しかけているのです。


2010年01月11日
ジェイクのアメリカ本土旅日記 byマネージャー
第210回:イギリス物語その4

衣装を着て。どう?似合う?
衣装を着て。どう?似合う?
明けて12月7日月曜日。本番当日です。昨夜は、どうもウクレレの弦の調子が良く無いと言って夕食後の遅い時間からウクレレ調整を始めたジェイク。何時までかかったのか怖くて聞きませんでしたが、ホテルの出発時間は午前10時30分。またもやベット・ミドラーは出発時間に30分ほど遅れて登場です。でも、こういう事を見込んで出発時間を決めているはずなので、誰も慌てふためいたりはしていません。ベット・ミドラーは「ハーイ、ジェイク!」と満面の笑みでジェイクの元へやって来て、「今日は頑張りましょうね」と言うと、ジェイクも「超緊張〜!でも頑張ましょうっ!」と返します。そして、お互いの気持ちを落ち着かせるかのようにキスとハグ(抱擁)をして、それぞれの車に乗り込みます。私達のバンは、昨日の人数にもう二人、ベット・ミドラーのヘアメイクさん達を乗せて、昨日と同じ道(だと思う)をオペラハウスに向かいます。今日は外の風景を見ながらのドライヴですが、どこを見ても「のどか〜」な感じ。マンチェスターはロンドンから飛行機でほんの1時間とちょっとですが、ダン達に言わせると「とっても田舎」だそうで、ましてやそこからまた海に向かってブラックプールまで走るので、特に目を見張るような風景には出くわさないだろうという事でした。それでも私にしてみれば、イギリスの車や家の形など、アメリカや日本では見られない珍しい物もあって、楽しい光景です。ヘアメイクの一人ロバートはゲイ。とっても話し好きのようで、過去に自分が担当したアーティスト達(それはそれはビッグ・ネーム達です)とのエピソードなどを語って車内を和ませます。そしてもう一人のヘアメイクのオスリンがロバートの話しのところどころで茶々を入れてからかうので、その度に皆爆笑。楽しい人達です。緊張の糸も、この時だけは柔らかく解けて行きました。

さあ、オペラハウスに到着です。昨日と同じように大勢のスタッフに迎えられてどやどやとシアター内に入ります。昨日は自分の控え室を使いましたが、今日はマーティの計らいでベット・ミドラーの控え室の一角を使わせてもらう事になりました。本番までの時間、ベット・ミドラーの時間が空いた時にすぐジェイクと音合わせが出来るようにするためです。カメラリハーサルが始まっています。昨日に増して押しに押しているようで、オペラハウスに着いてから一時間ほどで出番のはずでしたが、結局待つ事なんと3時間。やっと順番がやって来ました。当然、本番の時間が迫って来ています。急げ急げ。カメラリハーサルは本番に着用する衣装を着て行います。ジェイクは上下黒の、日本の男子学生が着る学ランのような襟詰めのスーツ、ちょっとビートルズ風です。ベット・ミドラーは、全身にスパンコールを使ったディープ・パープルのロングドレス。二人並ぶと、すっきりとして、とってもお似合いなカップルです。素敵! ベット・ミドラーが今回、何故ジェイクとのデュオ演奏を選んだかの大きな理由に、他の出演者達との「比較」がありました。100年近くもの歴史がある『Royal Variety Performance』は、年々その豪華さが増して行き、出演者達の出し物もどんどん派手な物になっているそうです。そんな中、オオトリでもあるベット・ミドラーは、近年その人気はゆるぎないものとなりつつも、まだまだ珍しさが先に立つ「ウクレレ」という楽器とのデュオ演奏で、他の出演者が考えつかないような、アコースティックでシンプル&ストレートなパフォーマンス披露で観客を魅了しようと考えたのでした。うん、彼女のアイデアは正しい。「本物」であるこの二人の、衣装のようにシンプルだけれどキラリと光るパフォーマンスに、観客はもちろんエリザベル女王だって感動するに違いありません。

カメラリハーサルでは昨日と同じく、『In My Life』はすっきりとうまく行きましたが、またもや『Wind Beneath My Wings』のモニターのバランスが良く無いと、ベット・ミドラーは何度も演奏を止めて音響さんと時間ギリギリまで調整を行いました。あと30分で開場です。私達チーム全員は大急ぎで楽屋へ戻ります。本番はもうすぐ始まりますが、私達の出番は一番最後なので、ここからまたさらに待ち時間が3時間近くあります。ベット・ミドラーは少し仮眠をとる事に、そして残った私達はマーティが用意してくれた夕食をシアター内のカフェテリアで食べる事にしました。私とジェイク、ロバートにオスリン、ジル、パブリシストのケン、そしてマーティ。私達はカフェテリアの大きな丸いテーブルに座ると、マーティが抱えていた巨大な紙袋を開けました。中から出て来たのは……「フィッシュ&チップス」。うわあああ!思わず皆で拍手!ジェイクは食べられないかなあ、と思いましたが、何と、ジェイクも魚の衣を取り除いて、超久しぶりというフレンチフライも平らげました。「久しぶりに食べると美味しいよね」と言いながら。私的には本番前にそんなに久しぶりな物を食べちゃって大丈夫かしらん、とちょいと心配でしたが。またもやロバートのぶっちゃけ話しとマーティの毒舌(マーティはコメディアンのように話し好きでしかもかなりの毒舌)を肴に、楽しい夕食のひとときは過ぎて行きました。ステージに上がるパフォーマー本人では無いけれど、スタッフそれぞれがそれぞれなりの緊張感を必死でほぐそうとしているのが良く分かります。

夕食後は、本番に備えて各自が大忙しです。ジェイクも何度となくベット・ミドラーに呼ばれて音合わせ。回りのスタッフはこれといってする事は無いのですが、緊張とイヴェントの進み具合の確認などで落ち着いてはいられません。他のアーティスト達も楽屋の外の共同で使える大きな広場でダンスを合わせたり、発声練習をしたり、何度も鏡を見ては衣装の乱れを直したりと、楽屋全体がざわざわと落ち着きません。

たまたまベット・ミドラーとトイレで遭遇しました。偶然にも他には誰もおず、二人だけの会話。ベット・ミドラー「あら〜、あなただったの!」と、トイレから出て来た私に、手洗い所で顔を上げながら鏡を通して微笑みかけてくれました。私「リハーサルでは大変でしたね」ベット・ミドラー「しょーがないわ〜。良くある事よ。でもねー、私はもう年だからね、体が疲れちゃうのよね。もうお婆ちゃんですもん。やってらんないっつーの!はははぁーっ!」私「そんな、そんな!」ベット・ミドラーは、私が想像していた通りの、とっても気さくな女性でした。画面で見るベット・ミドラーそのままです。トイレから楽屋に戻る道でも、ジェイクと私の出会いやら、どれほどジェイクが素晴らしいアーティストであるか、そしてどれだけ彼が素晴らしい人間であるかなどの話しで盛り上がりました。いくら同郷同士と言っても(ベット・ミドラーはハワイ出身です)、世界のエンターテイナーであるベット・ミドラーとこんな風に昔からの友達のような会話が出来るなんて。私がますます彼女を好きになったのは言うまでもありません。

さあ、イヴェントも後半に差し掛かり、いよいよ出陣です。出番まであと2アーティストというところでテレビ局スタッフに呼ばれ、ベット・ミドラーとジェイクはすっくと立ち上がりました。二人ともちょっと顔がこわばっています。が、そこはプロ。ちょっとポーズを取って、大きな笑顔で私達スタッフに「行ってきます」を言いました。カキンカキーンという、火打石の音が頭の中で聞こえます。よしっ、行っといで。頑張れ、ジェイク!

続く…
楽屋に続く共同使用が出来る広場。
楽屋に続く共同使用が出来る広場。
こんな風に練習するわけです。
こんな風に練習するわけです。


2010年01月10日
ジェイクのアメリカ本土旅日記 byマネージャー
第209回:イギリス物語その3

小さな控え室ですが、暖かい。
小さな控え室ですが、暖かい。
リハーサルはベット・ミドラーの部屋(もちろんスィートルームです)で行われました。私は邪魔にならないように、挨拶だけをしに行きました。彼女の部屋のドアが開きました。私の胸の鼓動が一気に早くなるのが分かります。何を隠そう、今まで黙っていましたが、私は大のベット・ミドラーファン。若かりし頃バンドをやっていた頃は、彼女の曲もカバーした事もあるし、彼女の代表作と言える映画、『Beaches(邦題はベスト・フレンド)』は何十回と見ています。当たり前の事ですが、まさかベット・ミドラー本人に会えるとは夢にも思っていませんでしたから、もしかしたら、会った瞬間に心臓が止まってしまうかも、などと冗談じゃ無くて本気で思いながらベット・ミドラーの登場を待ちました。顔がどんどん紅潮してくるのが分かります。「ハーイ、ジェイク!」ベット・ミドラーです。まず声がしました。そしてその声を追うように、バスローブを着たちっちゃなオバさんが私達の目の前に現れました。ノーメイクです!背丈はうーん、155cmも無いくらい。テレビの画面で見るベット・ミドラーはもっとずっと大きく見えますが、実際の彼女はこんなに小さかったのです。ジェイクは私を「ボクのマネージャーのK女史です」と紹介すると、ベット・ミドラーはノーメイクの顔をくしゃくしゃにして大きな笑顔を作り、握手のために手を差し出しながら「あらまあ!初めましてー!お会い出来て嬉しいわ」と言いました。嬉しいのはこっちの方ですよ、と言いかけて「今回はジェイクを招待して下さり本当に感謝しています」と、口を開くと心臓の鼓動が彼女に聞こえちゃうんじゃないかしらと心配しながらも、落ち着いたふりをして、ベット・ミドラーのいちファンでは無く、ジェイク・シマブクロのマネージャーとしてのプロ用の挨拶を返しました。ああ、緊張したー。

リハは一時間ほどで終了。今夜はこの後オペラハウスに行って、現地でのリハーサルも予定されています。オペラハウスがあるブラックプールまで、ホテルから1時間ほどかかるとの事。出発時間にロビーに下りて行くと、ベット・ミドラーのレコード会社の人達が数人待ち構えていました。Rhino UK という、ウエブサイトを見れば分かりますが、ベット・ミドラーを始め大勢のビッグ・ネーム・アーティスト達がこぞって契約をしているイギリスではとても有名なレコード会社です。その中の一人が私達を見つけると「やあ、ジェイク!ウエルカム、ウエルカム!」と挨拶をしてくれました。「ボクはダン。ベット・ミドラーの担当なんだ」彼とは何度もメールのやり取りをしていたので私も挨拶を。若いのに何故かつるっ禿です。寒いだろうに(余計なお世話ですが)。

予定の時間から30分ほど遅れてやっとベット・ミドラーがロビーに下りてくると、彼女のアシスタント、ジルの姿も。ジルとも10月から何度もメールのやり取りとしていたので、二人とも初めて会う感覚じゃないねーと言いながら「初めまして」の挨拶を交わしました。ベット・ミドラー、マーティ、そしてジルはベンツに乗り込み、ジェイクと私はレコード会社の人達と一緒に大きなバンでオペラハウスへ向けて出発です。もう辺りは暗くて、外の風景は何も見えません。同乗者も挨拶がひと通り終わればそんなに話す事もありません。ジェイク御得意の「ハワイにはいらした事がありますか」と「ハワイに来てください」くらいです。初めての土地、初めての人達、そして初めて女王の前での演奏。緊張は絶頂まで達していますから、ジェイクにこれ以上何かしゃべろと言っても無理な相談。なので、私から少し話題を作ってみましたが、それも時間を稼げたのは10分くらいでしょうか。聞く所によると、Rhino UK の彼ら達にとっても、女王の前で契約アーティストが演奏する事になったのは初めての事らしく、やっぱり皆同じ様に緊張している様子。ならばいっそ、このまま緊張の空気を車内に押し込めたままオペラハウスまで行こうではありませんか!

オペラハウスの前では、リハーサルに来るアーティストを一目見ようと、ファン達がこの寒空の下、小さな群れを作っていました。車が停車すると同時に両側ドアとトランクが大きな音を立てて開き、ドヤドヤと大勢のスタッフらしき人達が荷物を出したり、私達の手を取って足下が危なく無いように車から下りるのを手伝ってくれました。日本のイヴェント会場の雰囲気と似ています。ベット・ミドラーとは「じゃ後でね」と別れ、控え室へ。ジェイクの控え室は4階の一番奥。その部屋にたどり着くまでに通った他の控え室には、「Miley Cyrus」「Lady Gaga」「Whoopi Goldberg」「Mika」「Chaka Khan」「Michael Buble」などなど有名人の名前がずらり。思わず写真を撮ってしまいました(笑)。ジェイク用の控え室はかなーり小さく、そうだな、畳で言うと二畳くらいでしょうか、冷えきった部屋にヒーターのスイッチを入れるとものの30秒ですぐに暖まるほどの広さです。まあ、そういう意味では寒さに凍えずに済むので良かったです。

リハーサルというのは大抵「押す」ものです。当たり前ですが、明日は本物のイギリス女王の前での生演奏ですからして、失敗があっては大変と、各アーティストのリハーサル、つまり準備にはいっそうの熱がこもります。押して押してやっとジェイクとベット・ミドラーの番。ベット・ミドラーは明日のイヴェントのオオトリです。一番の見せ所です。という事は、もちろん自動的にジェイクもオオトリ。私は客席でリハーサルを見守っていましたが、ああ、どんなにジェイクは今にもお腹が痛くなるほど緊張している事だろうと思うと、居ても立ってもいられません。生まれて初めて学校の学芸会で主役を演じる我が子を見守る母親のごとく、ハラハラドキドキです。ジェイクの立ち位置が決まり、ウクレレのサウンドチェックが終わり、ベット・ミドラーがステージに登場して、さあいよいよ二人の音合わせです。よく考えたら、私は二人の演奏を一度も聞いていませんでした。昼間のリハーサルも挨拶だけして実際の音は聞いていなかったし。と思ったら途端に全身に鳥肌が立ち始めました。ジェイクがイントロを弾き始めます。ベット・ミドラーは、やはり我が子を見るようなまなざしでジェイクをじっと見ながら……そして静かに歌いだしました。「There are places I remember......♪」

3回ほど合わせて、二人の『In My Life』のリハーサルは終了です。そして次に、ベット・ミドラーがソロで歌う『Wind Beneath My Wings』のリハーサル。が、これには予定以上にかなりの時間を要しました。というのも、どうもジェイクとのデュオ演奏とは違ってビッグ・バンドでの演奏なので、モニターから拾う自分の声とバンドの音のバランスがなかなか取れないようなのです。何度も何度もやり直し、それでも100%は納得が行かないまま時間だけが過ぎて行きます。「まあ、これならとりあえず大丈夫」というレベルまで何とか到達、明日のカメラリハーサルの時にまた細部のチェックをするという事で今夜のリハーサルは終了しました。ベット・ミドラーはさすがに疲れ切っています。そりゃそうです。彼女がイギリスに到着したのは12月4日だそうですが、昨日も今日も朝からレコード会社のプロモーションでフル活動、今夜のリハーサルでは納得の行くものが得られないまま、明日はもう本番なのですから。リハーサル前には「町場のイタリアン・レストランで皆で食事をしましょうよ」と言っていたベット・ミドラーも、リハーサル後は、食事はルームサービスで済ますと言って部屋に戻って行きました。

ジェイクと私は、ダンに夕食に誘われてまたもやホテルのレストランへ。レコード会社のスタッフ数人、ベット・ミドラーのパブリシスト、また他のアーティスト数人も参加して、大人数での楽しい宴となりました。私は昨夜ジェイクが頼んだ「ドーバー・ソール」を頼みたかったのですが、今夜はもう売り切れだそう(泣)。しかたが無いので昼間も食べた同じお魚料理を注文。と、隣に座っていたレコード会社のスタッフがメニューを見ながら「あ、あったあった〜」と、「フィッシュ&チップス」を指差しているでは無いですか。へえ、名物って、どこでもその土地の人はあまり食べないものかと思っていたらそうでも無さそうです。そして、その人はさらに、運ばれて来た「フィッシュ&チップス」を見て「やったー!」と拍手をしながら「これでなきゃね〜」と言ってガッツポーズ。グリーンピースの付け合わせを大歓迎したのでした。その男性は年の頃は50代後半。可愛いオジさんです!何だか、イギリス人の素朴な側面をかいま見たような気がして、微笑ましくなりました。皆、大いに食べて飲んで、そして明日の緊張を吹き飛ばすかのようにたくさん笑って、楽しいイギリスの夜は更けて行きました。それにしても、イギリス英語の発音は聞き取り難いけれど、慣れてくると何だかいい感じです。好きじゃないという人も多いけれど、私は好きだなあ。二年前にオーストラリアに行った時には、正直オーストラリア訛りには四苦八苦しましたが、イギリスのそれは私の耳に心地よく入り込んで来ます。

続く…
Rhino UK のスタッフ達とホテルの前で
Rhino UK のスタッフ達とホテルの前で
控え室のドアです。記念に。
控え室のドアです。記念に。


2010年01月09日
ジェイクのアメリカ本土旅日記 byマネージャー
第208回:イギリス物語その2

マンチェスター空港に無事到着!
マンチェスター空港に無事到着!
いろいろな人達からの祝福を受けながら、12月4日早朝、ジェイクと私はイギリスに向けてホノルル空港を旅立ちました。昨夜は興奮と準備で全く寝ていないというジェイク。疲れた表情に、緊張の色が隠せません。サンフランシスコで乗り換えてロンドンへ。そしてさらにもうひとっ飛び、オペラハウスがあるブラックプールの最寄り空港であるマンチェスター空港へ。便の遅れも無く、そして預けたスーツケース達も見事にベルトコンベアーの上に次々と現れて、本当に快適な旅でした。が、こんな遠くまで来るとマジで息も絶え絶え。計算してみたら、家を出てからマンチェスターのホテルに到着するまで何と26時間もかかっていました。時差も手伝って、到着日は翌日の12月5日です。遠いなあ〜やっぱり、ヨーロッパは。

ベット・ミドラーチームは今夜はロンドン泊まりとの事で、明日の午後に私達が宿泊中のホテルにチェックイン、そして即、ホテルの部屋でリハーサルをするというプランになっています。ホテルはマンチェスターの空港から10分の場所にありましたが、繁華街からは外れていてベット・ミドラーなどの有名人が泊まるには安全で、清潔でお洒落なホテルです。そういえば、あまり気にしていませんでしたが、そんなに寒くない!ハワイを発つ前にネットでイギリスの気候などを調べて、かなり寒いだろうと覚悟して二人ともダウンジャケットを着て来たのですが、そんな真冬な格好をしているのは私達だけ……。ホテルのフロントで働いているスタッフは皆、若くてスマイルがさわやかな人達ばかりです。おっ!その中に、一層キラリと光る可愛い男性、いや、男の子(年の頃は20代前半)が!いや、失敬。あまりにも白い歯を輝かせて微笑んでくれちゃうので、思わず疲れ切った体が溶けそうな一瞬でした。気がつけば他のスタッフもお客さんも、アメリカ人とはひと味違った趣とマナー、そしてちょいと高尚な身だしなみが目につきました。へえ〜イギリスの男性って素敵なのね〜。自分でもイケナイと思いながらも目が泳ぐ泳ぐ。そんな私にジェイクが気づいて「ほらっ、さっさと自分の部屋にスーツケース持ってけば?」と。はーい、すみませんっ。

繁華街に出たければ車を使った方が良いといわれ、それは今日の疲れた体には面倒と、夕食はホテルの中のレストランで済ませる事にしました。食事制限があるジェイクにも何かしら食べられるものはあるでしょう。7月にヨーロッパを訪れた時は、国によってグルテン・フリーに対する意識がかなり違う事を学びました。北欧は二重丸、その代わり、フランスとスペインでは苦労をした記憶があります。イギリスはどうなんだろう。イギリスに到着して初めての食事です。楽しみ〜。

時間が早かったので、今夜のお客第一号のようです。窓際のテーブルに案内されます。明るくて奇麗なレストランです。メニューを見ると、ありましたありました。「フィッシュ&チップス」。アメリカにもあるディッシュではありますが、「フィッシュ&チップス」の本場はここ、イギリス。アメリカに越してまもなくの頃、この言葉をメニューに見つけた時は一体どんな食べ物が出てくるのだろうと不思議に思ったものです。フィッシュは魚の事だから魚だって事は分かっても、チップスとは何だろう、まさかポテトチップス?ご飯のメニューのはずなのにポテトチップスが出てくるのかしらん。答えは、さきほども言ったようにフィッシュは魚ですね。魚は魚でも白身の魚(ご当地の白身魚である事が多いです)に衣を付けて揚げたフリッター。そしてチップスはフレンチ・フライ、日本語で言うところのフライド・ポテトです。場所によって、マクドナルド風の細いタイプだったり、どっしりと太くて長い、いかにも「芋」というフライであったりします。何しろ、この二つのコンビネーションで「フィッシュ&チップス」。アメリカだとタルタルソースで食べる事が多いのですが、私はビネガー、お酢でいただくのが好きです。油で揚げてあるので当然油っぽいのですが、お酢で食べるとすっきりとして、結構癖になる味です。ジェイクは魚料理の中に見つけたひとつを指差して、「『Dover Sole』って何だろう」。Sole とは底、という意味。アメリカではヒラメやカレイを指します。Dover.... あ!「ジェイク、分かった、それはドーバー海峡(イギリスとフランスの間に流れる海峡)で獲れたヒラメだよ!」パッと顔が明るくなってジェイクは「ボクそれにする!」私は何の迷いも無く「フィッシュ&チップス」を注文。ニュージーランドで生まれ育ったというウエイターに、恐る恐るジェイクはグルテン・フリーで無ければならないと伝えると、元気なウエイターは一層目を輝かせて「ノープロブレム!シェフに相談して来るからお待ちください」と言って早足でキッチンへ消えて行きました。早くもこの時点でジェイクのイギリス好感度は頂点まで達したのは言うまでもありません。

まもなくテーブルに戻って来たウエイターは、これではどうか、あれではどうか、シェフがこう言ってるがどうだろうか、だったらこうしてはどうか、とそれはもう数えきれないほどのチョイスを懐からドラえもんのように出してはジェイクを喜ばせます。ああ、良かったぁぁ。これからの三日間の、半分以上の心配事がこれで消えたも同然です。安心したジェイクはしっかりと自分の意思をウエイターに伝え、嬉し顔。 おおーっ、シェフがグルテン・フリーでジェイクのために焼いてくれたドーバー・ソールは、今まで見た事も無いくらい大きいものでびっくり。丸焼きにしたものを目の前でナイフとフォークを使って頭やしっぽ、骨などを器用に取り除いて、いわゆる「フィレ」状態にしてサーブしてくれます。が、最初はうわあすごいわあ、と珍しがっていた私は、その光景を見ながらいつの間にか日本人根性丸出し。「あ、それ捨てちゃうの?」「あっちゃー、そこが一番美味しい部位なのにぃ」と、どんどん切り捨てられていく、日本人だったら絶対残さない部位をもったいなさそうに睨みつけている私に、ジェイクも横目で「卑しい事言うなー」といわんばかりの目線を送っていました。すんません!

本場の「フィッス&チップス」は、はっきり言って味的にはアメリカのそれと大きな違いはありませんでしたが、ひとつ違ったのは、グリーンピースを潰してペースト状にしたものが付け合わせで添えられていた事。ちょっとしょっぱいけれど味はそのままグリーンピース。でも、これが本場の「フィッス&チップス」イギリス流だそうです。さあ、美味しい食事も頂いた事だし、今夜はちょっと時間は早いけれど明日に控えて早く寝る事にします。

翌日、12月6日。3時過ぎからベット・ミドラーとのリハーサルが予定されていますが、その前に腹ごしらえをしようと昨夜と同じホテル内のレストランへ。うわっ満員です。席に案内されると同時にメニューの説明が。そうかあ、今日は日曜日。サンデーブランチってわけね。メニューを見るとセットメニューになっていて、前菜、メインコース、そしてデザートから一品ずつ選ぶスタイルです。ありゃあ、これだとジェイクが食べられるものが無いわあ。そして、アニマル物(肉、乳製品、卵も)を食べない私にもチョイスが無さそうです。昨夜はフリーメニューだったからレストランも柔軟に対応してくれたシェフも、サンデーブランチを提供している今日は私達の我がままを聞いてくれるかどうか。それでも思い切って、ジェイクはグルテン・フリー、そして私の食事制限の事をウエイターに伝えると、驚いた事にウエイターはまたもや「ノープロブレム!」と言うでは無いですか!結局シェフの心遣いで、セットメニューをアレンジして(というかほぼ私達のための新メニューを作ってくれた)またまた私達を喜ばせてくれたのでした。いくら一流のホテルだからと言って、ここまでホテルのゲストの為に至れり尽くせりというスタイルは珍しいですね。

美味しい食事に舌鼓を打っていると、突然大きな声で「キミはジェイクだな!」と誰かに話しかけられました。その声の方に顔を上げると、眼鏡をかけた、年の頃は50代中頃のアジア人のオジさんが片手を上げてまた「よおっ!」と私達に向かって挨拶をしています。私はその声に聞き覚えがあったのでその男性が誰かがすぐに分かりました。10月末に電話で話しをした、ベット・ミドラーのツアー・マネージャー、マーティです。「マーティ!」「よおおおお、K女史!」恐らく向こうもそう思っているに違いありませんが、声だけ聞いていて顔は想像に任せていると、実際その声と顔が出揃った時に必ずしも自分の想像が現実と一致するとは限りません。私が想像していたマーティは、もっと強面の白人でずっと高齢。が、目の前にいるマーティはアジア人の、目がくるりんとした、体はちょっとずんぐり系のどちらかと言うと「ハワイに居そうな可愛いオジさん」。私達はマーティにしきりに今回のビッグチャンスを与えてくれた事へのお礼を言うと、マーティもどれだけ自分がジェイクのファンであるかを熱く語ってくれました。うんっ?それにしても! マーティがここにいるという事は、ベット・ミドラーご一行様がホテルに到着したという事。マーティは「ゆっくり食事を済ませなさい」と言ってくれましたが、ジェイクと私はお皿に残った食べ物を大急ぎでお腹にかっこむやいなや、リハーサルに向かいました。

続く…
ロンドンの空港で。これが初イギリス演奏?
ロンドンの空港で。これが初イギリス演奏?
ドーバー・ソール解体される、の巻
ドーバー・ソール解体される、の巻
ドーバー・ソール食される、の巻
ドーバー・ソール食される、の巻


2010年01月08日
ジェイクのアメリカ本土旅日記 byマネージャー
第207回:イギリス物語その1

明けまして、おめでとう!オペラハウスのシアター前で。
明けまして、おめでとう!オペラハウスのシアター前で。
ジェイク・ファンの皆様、明けましておめでとうございます。今年も、どうかジェイク・シマブクロを応援してください。よろしくお願いシマブクロ!
という事で、大変お待たせ致しました。書き出したらえらい量になってしまい年を越してしまいましたが、ジェイクが昨年12月に参加したイギリスのイヴェントのレポートです。ほんと長いので、少しずつお届けしますね。それでは、物語の始まり始まり〜。 - K女史ことマネージャー。







ああぁぁぁ……ふうぅぅっ。一体何から書けばいいのだろう。とても言葉では言い尽くせないほどの数のイヴェントが起こりまくっているのです。

今年(2009年)の夏の初ヨーロッパツアーで、一番行きたかった国なのに結局夢が叶わなかったイギリス訪問。しかし、それなのに、ああそれなのに、こんな形で一度は消え去った夢がこんなにも早くに実現してくれるとは!

世の中は、もうすぐハロウィーンですよーんと、ご多分に漏れずハワイもオレンジ&ブラック一色の10月下旬。何の前触れも無くそれはやって来たのです。ジミーオジさんのマネージャーから「あのさ、ベット・ミドラーのマネージャーが話しがあるらしいので連絡してみてよ」という、さらりと短い連絡メールが。へっ?えっ?なっなにっ?ベット・ミドラーって、あの、ベット・ミドラー? 世界のエンターテイナー、ベット・ミドラー???? 一瞬、そんなのまた何かのいたずらよねー、なにさーちょっとぉぉぉ、と思ったのもつかの間。いや待てよ。待てよ待てよ待てよっ。メールをくれたのはジミーオジさんのマネージャー。って事はいたずらなんかなわけはありません。落ち着けっ。ええっい、落ち着けぇぇぇぇっっい! が、落ち着くどころか気持ちは天まで舞い上がった状態でベット・ミドラーのマネージャーだという人に恐る恐る電話をしてみたのでした。

ベット・ミドラーのツアー・マネージャーだと言うそのオジさんは、「おおっ!ジェイクのマネージャーK女史?連絡待ってたよぉぉぉ〜。どう、元気?」と、まるでずっと以前からの友達同士が杯を交わすかのような気軽さで言うではないですか。そして私の挨拶を聞く間もなく早口で「実はさっ、ベットがイギリスの女王の前で演奏する事になったんだけど、ジェイクに一緒に『In My Life』を演奏してくれないかって言ってるんだよ」と、これまた何でも無いようにかるーく言うではありませんか。イ、イ、イギリス女王?自国の大統領の前での演奏だってした事無いのに、縁もゆかりも無いイギリスの女王ですか? もう、ここから私の心臓は一気に高鳴って(きっと血圧もぐぐんっと上がった事でしょう)、今にも口から飛び出す勢いとなりました。が、そこは私だってプロのマネージャー。コホンっとひとつ、声が裏返っちゃわないように咳をしてから、「ほほう。それは素晴らしいですねっ!お声をかけて頂き光栄です。スケジュールを確認してお返事させて頂きますね。(本当は“ギャッホーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!いやーーーーーん、マジっすかぁぁぁぁぁぁぁぁ?マジマジマジマジマジマジマジィィィィィィィィ??????? そんなの答えはYESに決まってんじゃぁぁぁぁんっ!ぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇったい、ぜったいぜったいぜっぇぇぇぇぇぇぇぇったいやりまっせーーーーー。どんな事があったって這ってだってイギリス行くもんねーーーーーっ。”と言ってるつもり)」と言って電話を切りました。

興奮で、鼻の穴がバコバコいうのを感じながら電話を切ると、思わずガッツポーズ。そして万歳!ははは、万歳するなんていつ依頼の事かしら、なんて頭の奥で考えながら、思わず自分の足が嬉しさと興奮でパタパタと踊っているのに気がつきました。ひゃ〜、こんな姿は誰にも見せられんっ。さーてさてさてさて、ジェイクに知らせなくっちゃ。電話電話、っと。最近忙しくて一回目の電話にはまず出ないジェイクでしたが、何故か今日は即応。何かを悟った模様。私は、興奮しながら電話の向こうでバタバタと手を動かしながら事の事情を説明すると、ジェイクは大声で「NO WAAAAAAYYYYYYYY!! (うそーーーーーー)」私「WAY!!(ほんとーーーー)」 「 NOOOOOOO! 」「YEEEEEESSSS!」。何度かこういう会話をやり取りした後、ジェイクは「絶対(ディールを)決めてよね!」と言いました。さあ、ここからが勝負です。まだジェイクがイギリス女王の前でベット・ミドラーと一緒に演奏する事は“決定”ではないのだから。おおおおっし、何が何でも絶対イギリスに行ってみせるわよっ!

それはそうと、実は、私はベット・ミドラーがジェイクの事を気にかけていた、という事を今年の8月から知っていました。それは、8月のニューヨークはリンカーンセンターでのライヴの時だったのですが、ある女性が話しかけてきました。その人は、ニューヨークを起点に活躍中の日本人バイオリニスト五嶋みどりが設立した『Midori & Friends』というNPO団体のプレジデントで、「うちの理事会メンバーのベット・ミドラーと彼女のアシスタントが、今夜は絶対ジェイクを見に行きなさいと言うので来たんです」と。その時も、ベット・ミドラーがジェイクの事を知っているという事実にとても驚きはしましたが、まさかその数ヶ月後にこんな展開を迎えようとは思ってもいませんでした。そしてジミーオジさんの仕事で先日訪れたラスベガスでも、ジミーオジさんが前夜にベット・ミドラーとご飯を食べながらいろいろな話しをしたよと聞かされ、そのたった1週間後にこんな信じがたい夢物語が舞い込んできた、というわけです。人生ってこれだからやめられない。

その後、ベット・ミドラーが演奏曲目を変更するだとか、やっぱりウクレレとのデュエットはやめてビッグ・バンドとの演奏にするだとか、心臓に良く無いような紆余曲折がいろいろとありましたが、結局ジェイクは最後の最後まで候補者としてリストに残り、ウクレレとのデュオを基本にしながら演奏の一部にベース・プレイを入れるというのを条件に、イギリス行きが決定しました。や、や、やった。やった。やった。やった。やったぁ。やったぁぁぁ。やったぁぁぁぁぁぁぁ。やったあああああああああああ!おめでとう、ジェイクっ!プロのミュージシャンになって12年。下積み時代と呼んでいいその12年が今こうして花開いたのです!私は本当に涙が溢れました。ハワイのウクレレ・ミュージシャンがイギリス女王の前でベット・ミドラーと一緒にビートルズの名曲『In My Life』を演奏する事になったのです。奇跡としか言いようがありません。おめでとう、ジェイク。ふぇ〜ん(嬉泣)。

ジェイクが参加する事になったイギリスのイヴェントは、その歴史は100年近くにもなる『Royal Variety Performance』という、毎年行われるイヴェントの中でも最大級を誇る名誉あるイヴェントです。バラエティというその名の通り、ミュージシャンだけでなく、ダンサーやコメディアン、そして腹話術師など、さまざまな分野で活躍するアーティスト達が各国から招待されて、その才能を王室メンバーの前で披露。エリザベス女王とチャールス皇太子が毎年交代でご観覧に来られるとの事ですが、今年はラッキーにもエリザベス女王が来られる番。そして、BBCとITVというイギリスを代表するテレビ局が毎年交代でこのイヴェントをライヴ収録(一局の独占ではないところが「国を挙げての行事です」という感じがして良いですね)し、12月中旬に放送、少なくとも9億人がその番組を見ると言われています。そして、もうひとつ嬉しい事実に、今年の開催場所があります。Blackpool という町のオペラハウスなのですが、1955年にこの場所で第1回イヴェントが行われて以来、50数年を経て初めてまたこの場所に戻って来るのだと、イギリス人達は「とても記念すべき事である」と言って喜んでいるようなのです。

続く…


2009年12月29日
From Japan
華やかに、にぎやかに。2009年のライヴ納め

お疲れ様でしたー!!!
押尾コータローさんとのクリスマス・ライヴを終えた後は、26、27日と葉加瀬太郎さんのツアー・ファイナルにゲスト参加です。すでに東京追加公演でもご一緒させて頂きましたが、このファイナルは、今秋始まった葉加瀬さんのジャパン・ツアー全41公演(後で伺ったところ、41はご自分の年齢にちなんだ数字なのだそう。ステージ上でもネタにしていましたが、葉加瀬さん、押尾さん、柏木さんのお三方は同年齢です)の千秋楽でもあります。しかも大阪は葉加瀬さんの地元。こうなれば、盛り上がりは必至です。

26日。会場入りの前に、ジェイク、Kazy、Takさん、J美、そしてJ子の5人は、揃ってランチに出かけました。グルテンフリー生活のジェイクが食べられるものは、かなり限られます。しかもランチとなるとディナーよりさらにハードルが高くなります。なぜなら、大抵のお店は、ランチタイム=ランチ・セット・メニューに限定されるからです。でも、そんな中で見つけたのが、自然派インド料理。カレーには小麦粉を使用しておらず、しかも使用されている野菜はオーガニック。これならジェイクにも食べられます。めでたしめでたし。食後,レストランと同じビルにある洋服屋さんを覗きたいというジェイク。けれど、もうそれほど時間はありません。「2分だけだよ」とJ美とJ子に言われ、「じゃ、後で!」とさっさとお店へ走って行くジェイク。私たちが店に到着した時には、すでにレジでお会計中。「えぇーっ!!! 本当に2分で買い物したの?」「はい」。ステージで着用する白いシャツをお買い上げ。「パーフェクトなサイズだったよ」とケロリ。一体、どんな早業なんでしょうか。

会場に入りをして開演までの時間は、サウンド・チェックとリハーサル以外、わりと自由に過ごせます。ジェイクは、KazyやTAKさんのウクレレ練習につきあったりしながら、リラックスした時間を過ごしています。途中、押尾さんとの対談形式インタビューも行なわれました(お互いのファンクラブ会報用です)。

2日目には、演奏ウクレレに加え、今回ハワイから修理の為に持参したウクレレと、もう1本、何を隠そう東京で衝動買いしたウクレレを併せた計3本のウクレレ楽屋に持ち込んで、ジェイク、Kazy、TAKさんの3人でセッション三昧。しかも演奏しているのは、出来上がったばかりの新曲です。そうそう、今回ジェイクが購入したのは、以前から欲しいと思っていたマーティンのソプラノ・ウクレレ。中古ですが、それはそれは奇麗な音色を奏でます。このおニューのウクレレで、着々と曲作りを進めているのでした。

本番のプログラムは東京公演と変わりません。が、やはり最終日の27日は、なんとなくバックステージも落ち着かない感じです。葉加瀬さんや柏木さんは、東京からご家族も応援にみえています。子供の声がするバックステージは、千秋楽独特の緊張感を和らげてくれるようで、ホッとします。地方から駆けつけて来るプロモーターさんも少なくなく、中にはジェイクもお世話になっている方が数名いらっしゃって、思いがけない再会を喜びあったのでした。

葉加瀬さんにとっても千秋楽なら、ジェイクにとっても2009年の最後となる今日のライヴ。最後くらいはと、J子は客席に回ってジェイクのステージを観ることにしました。壮大なステージ・セット、エモーショナルな演奏にマッチした美しい照明。うわぁ、といち観客になって感動です。葉加瀬さんのユーモラスなトークが一段落したところで、ジェイクが呼び込まれます。「これで今年は終わりなんだなぁ」としみじみするJ子。「アヴェ・マリア」が、染みます。さっきまで「ステージの上で『儲かりまっかー』って言ってもいい?」なんて、本気とも嘘ともとれないことを言ってたジェイク。ちょっとハラハラしましたが、回避されました(笑)。そんなこと言ったら、雰囲気ぶち壊しですもんね。

第二部の出番までを、楽屋で過ごすジェイク。いつものように出演20分前くらいになると、ウォームアップよろしく練習に没頭します。それは今日も変わらず。特別な日でも特別なことはしません。いつもと同じ、それがリラックスの秘訣なのかもしれませんね。黒ずくめの衣装から、白いシャツ&ベストに着替えて準備はOK。葉加瀬さんはもちろん、押尾さんもジェイクも、バンドのみなさんも、最終日にふさわしい熱のこもった演奏を繰り広げます。客席の後方はじから見ていたJ子も、自然に身体がリズムを取ります。スタンディングオベーションに送られて、ショウは幕を閉じました。アンコールは、葉加瀬さんが少年時代に大好きだったという「シルクロードのテーマ」。同世代のJ子にとっても懐かしい曲ですが、今改めてこうして聴くと、つくづく素晴らしい曲であることを痛感します。演奏後、再び全員での挨拶があり、本当の本当にショウは終わりました。

バックステージには何とも言えない高揚感が漂っています。ジェイクのツアーでもそうですが、千秋楽にある達成感と寂しい感がごちゃまぜになった空気は、なんともうまく説明がつきません。帰りたい、でも、帰りたくない、みたいな(!?)。

出演者、スタッフ、各地プロモーターさん等が集合して開催された打ち上げは、大忘年会の様相。サプライズで島木譲二が登場して、パチパチパンチとポコポコヘッドを披露する一幕も。これには、みんな大受けでしたが、ジェイクだけがポカーン。通訳するJ美も大変です。通訳のしようがありませんからねー。「なんで、上半身脱いで自分を叩くの?」と聞かれても…困りますのよ、ジェイクさん。葉加瀬さんが、ポコポコヘッドをやるのを心配そうに見ている表情が印象的でした(笑)。そんなジェイクですが、翌日、何かと言えばパチパチパンチを真似していたことは、言うまでもありません。あぁ。

28日は、昼過ぎに大阪のホテルを出発。新幹線で東京駅まで行き、東京駅から車で成田まで。そしてハワイへ飛び立ちます。新幹線の中では、大阪公演中にみなさんから頂いたファンレターに目を通しながら、「次に日本に来るのはいつになるかなぁ」なんて言っています。頭の中は、1月からスタートするレコーディングのことで埋まり始めています。J子が知るだけでも、今回の来日中に3曲の新曲が完成しています。今回のレコーディングでは色々なことにチャレンジしたいと張り切っています。その結果が皆様に届くまでには、まだしばらく時間がかかりますが、どうぞ期待して待っていてくださいね!!

それではみなさん、2009年もお世話になりました。よいお年をお迎えください。

jklub会員のみなさん、ジェイクからの年賀状は、2010年1月7日までにはお手元に届くと思います。


2分でシャツ1枚ゲット! 早っ!!


チームJ、大阪の町を行く。


グランキューブ、大きいです。



サウンド・チェック中。


アチャ〜〜ッ!!!!!と、気合いを入れて準備OK!


第一部、開演です。円陣の中にはもちろんジェイクも(真っ黒で分かりにくいですけど)。



2日目の楽屋。このふたりは、いつだってコレです。


壮大なセットに思わず息をのみます。


手取り足取りとは、まさにこのこと。



時間ができると3人でセッション。しかも演奏するのは、出来たばかりの新曲!


トイレの中にいるのは、Kazyです。油断も隙もないチームJ。


千秋楽の打ち上げでミュージシャンのみなさんと。



サプライズで登場した島木譲二。ジェイク、びっくり!


また来年、お会いしましょー!!のポーズ!?


みなさん、よいお年を!!


2009年12月26日
From Japan
大爆笑のクリスマス・ナイト

深紅のカーテンがクリスマスっぽくて素敵です@サウンド・チェック。
終演後の打ち上げでは、「来年はM-1を目指すべきではないか」と両スタッフが真顔で話してしまうほど、ふたりのトークはおかしいのです。関西拠点の押尾さんスタッフが太鼓判を押してくれているのですから、疑いの余地はありません。いやぁ、笑った!…って、いやはやライヴももちろん素晴らしかったです。昨年に続き、今年もご招待を頂きました、押尾コータローさんのクリスマス・コンサート。

東京でリハーサルを1回、当日リハーサルを1回、そうしたらもう本番です。演奏はある程度決めごとを作りますが、トークに関しては完全なる「なりゆき任せ」。押尾さんにリードしてもらって、ジェイクはそれについていけばいい、のですが!! 日本語が十分理解できないジェイクは勘に頼るしかありません。がんばれー!!

押尾さんのソロ「Last Christmas」で幕を開けたステージ。昨年同様、また「Merry Christmas Mr.Lawrence」を聴ける喜びをかみしめるJ子なのでした。押尾さんに呼び込まれて元気よくステージに出て行くジェイク。満員のお客様を前に、漫才スタートです。「ほら、ジェイク、お客さん満員だよ」と押尾さん。「マンイン?」「満員ね。not for sale seat...」「…マンイン? マンイン? あぁ、マンタンですね」意味は遠くないけど、何かが違います、ジェイクさん。でも、押尾さんが言いたいことは伝わりました。

ジェイクは2曲のソロを演奏しました。まずは、「ハレルヤ」。そして「公式な日本のライヴで披露するのは初めてです」と紹介して「ボヘミアン・ラプソディ」です。今年のjklubイヴェント@大阪ではプレイしましたが、それ以来の日本国内披露になります。このカヴァーに挑戦し始めたのは10月だったので、あれから約2ヶ月。アメリカ本土やハワイでのライヴで披露しているだけあって、どんどん完成度が高まっていきます。ジェイクも「ほぼ完成」と言っていました。「ほぼ」というのがミソですね。これからも進化する、ということですから。

曲が終わり、漫才再開。次々とトピックが変わっていくので、J美&J子、ハラハラドキドキの連続で、全部をメモしている心の余裕もございませんでした。押尾さんにハレルヤの意味を聞かれてうまく答えられなかったジェイクとか、大阪弁「めっちゃ」の使い方を教わって、「めっちゃ押尾さん」と意味不明なことを口走ったジェイクとか、逆にジェイクにハワイ語のメリー・クリスマス(メレ・カリキマカ)と「ハッピー・ニュー・イヤー(ハウオリ・マカヒキホウ)」を教わった押尾さんが、「マカヒキホウ」を「マキセリホ」に変えちゃったりとか、そりゃもう大変です。しまいには、押尾さんが「お正月」の話をふると、ジェイク、「オショウガツ? オシオガツー(押尾がTwo)」になっちゃうし…。ステージ袖のスタッフもみなお腹を抱えて笑っています。どこまで行ってしまうんでしょーーーーー!?

そんな爆笑トークとは打って変わって、演奏になると、さすがにふたり、見事なコラボレーションを聴かせてくれます。「安穏」は、今年のジェイク公演に押尾さんがゲスト出演して下さった時に初披露された曲。大阪で演るのは、初めてです。タイトル通り、安らかに穏やかに、ふたりが奏でる音色が溶け合っていきます。続く「ピアノ・フォルテ」をしっとり奏でた後は、「タイム・アフター・アフター」。そして「日曜日のビール」は、押尾さんが「ジェイクが英語タイトルをつけてくれました」と紹介。「『Beer On Sunday』です」と。そのまんまですが、何か?(笑) 「一期一会」は、J美とJ子に、Music Is Good Medicine Tour2009を思い出させます。「すでに、懐かしいねぇ〜」と、しみじみ。

いきなりやって来た最初のクライマックスは「Five Dollars Unleaded」。ふたりの目がバシッと合ったのをお客さんも見逃さなかったでしょう。それを合図にインプロヴィゼーションに突入です。特に予定していたわけではありませんが、やりたくなったらやっちゃうのが、押尾ジェイク流。観ているこちらもテンションが上がっていきます。ギターVSウクレレの仲良しバトルに、ステージの上も下もエキサイトしているのが手にとるように分かります。

その後、漫才もさらに盛り上がりました。ジェイクの「キーはなんですか?」が押尾さんには「木はなんですか?」に聞こえてしまったことに端を発した「押尾コータロー氏、マイ・ギターの素材を知らない事件」。「あなたのギター、何の木ですか?」(J)「……わからない…」(K)「モリタさん(押尾さんのギター・テック)が知っていると思います」(J)「そうかな」(K)「マーティン(ギター・メーカー)に聞いてみたら、どうですか?」(J)「マーティン、どこにいるの?(K)」なんだかもう、わけがわかりませんが、それがおかしいのです。

「タイム・アフター・タイム」への前ふりに、押尾さんが、他人とのコラボレーションやレコーディングについて話を始めた時でした。「レコーディングの時、ついつい欲が出て何テイクも録ってしまいがちだけれど、結局出来がいいのは最初のテイクか、あるいは2〜3回目のテイクなんだよね」で、ふたりの意見は一致…かと思いきや、ジェイクにはこの「欲」という日本語が分かりませんでした。さーて、押尾さん、どうやって説明をするのでしょうとみんなが息を飲んだその時、ジェイクが言いました。「ヨックモック、おいしいね。ボクのお母さん、大好物です」…………一同、超ビックリ!!&大爆笑。ジェイクは必死だったのでしょう。「YOKU」という音を頼りに知っている日本語を瞬時に探したのでしょう。そうして絞り出したのが「ヨックモック」だったのも驚きですが、押尾さんが「何それ?」という反応だったのも、ある意味驚きでした。何はともあれ、押尾さんは観客席からヨックモックが何であるかを教わり、最後に、ジェイクが「押尾さん、ヨックモックお土産ね」と、今度ヨックモックをお土産を持ってくる宣言をして一件落着。あれ? で、テイクの話は…ま、いっか。

とまぁ、こんな調子でショウは進み、ふたりがハワイでレコーディングした「渚」で本編は終了しました。

客席からの温かいアンコールに応えてサイドステージに登場した押尾さんは、早速ジェイクを呼び込みました。押尾さんがステージ袖から出て行く時、ジェイクに「フリー・セッションね!」と告げて行ったのを、みんな聞き逃していませんでした。が、まさかこんなにクールな「YEAH.」が出来上がるとは!! ちょーーーーーー、カッコいいっ!!! 目と目で合図しながら、これぞまさに「あ、うんの呼吸」です。そんな「YEAH.」の興奮を鎮めていったのは、「クリスマス・ローズ」。先日のラジオ出演共演でも披露したこの曲は、クリスマスの今日に似合い過ぎています。続いて「Happy Christmas(War Is Over)」。エンディングに向けてサビを観客のみなさんと一緒に合唱しました。ま、ジェイクの歌唱力はみなさんご存知の通り、あれなんですけど(苦笑)、この夜はさらに緊張していたのか、ちょっと中途半端に終わっちゃいましたね。残念。でも、あの時会場にいた皆さんと、気持ちはひとつになったと思うのです。

押尾さんのソロ演奏「Earth Angel」で、ショウは終わりました。開演から、なんと3時間半を経過していました。トークも演奏もおもいっきり、のふたり。けれど、疲れなんか微塵も感じさせずに最後まで走り抜けました。いやぁ、去年も素晴らしかったけど、今年はまた、お互いのことをより理解できるようになった分、いい意味でのリラックス感があってよかったですね。客電がついた瞬間、来年もまたここでクリスマスを迎えることができたらなぁ、と思うJ子でありました。




リハーサルが進むに連れエンジンがかかっていきます。


なぜ、このポーズで?


疲れないんですか?



まだまだ続きます。


どんなポーズですか!? 電話のお相手は…言うに及ばず(笑)。


なぜか男女チームに別れている楽屋。


2009年12月25日
From Japan
走る、食う、弾く…

お揃い着て何してるのぉ〜?
大変だったようです。
東京駅から新幹線に乗ったジェイク、TAKさん、J美チームは、ロビーコールに遅れて来たジェイクのせいで、東京駅を全力疾走したそうです。

おかしいなぁ、とJ子が異変に気づいたのは、J美から「品川でジェイクにおむすび買ってください」の指令電話があった時。東京駅には、いつも立ち寄るおむすび屋さんがあるのに…。これはもしや、時間がギリギリなんだな、と思ったわけです。その後、何度電話しても、J美もTAKさんも受けてくれません。挙げ句、ジェイクたちのホテルに寄らず東京駅に直行したKazyさんから「同じ新幹線に乗ったんだけど、ジェイクたちがいない」と電話がきました。こりゃ、やっちゃったかな!? 「もしかしたら、違う号車に飛び乗って車内を歩いているかもしれないよ」などと話していると、「来た来た!」とKazyさん。それは、よかった。

品川でJ子が乗り込むと、汗だくのジェイク&TAKさんが。ロビーコールに遅れてきたジェイクに加え、TAKさんいわく「運転テクニックに乏しいタクシーの運転手」にあたってしまったそう。普段は温厚なTAKさんが、運転手さんに厳しく指導する姿(!?)を見て、J美、ビックリ。そんなタクシーの中、事の重大さを把握していないジェイクは、作曲に夢中(笑)。さすがに、車内の空気に多々堂緊張感が高まり、いよいよジェイクも「あれ?」。「僕たちの新幹線って、何時だっけ?」に返ってきた答にガーン!! タクシーが停車するや両手で山ほどの荷物を操り、とにかく走ったそうです。J美いわく「ファンの人には見られたくない姿でした」とのこと。見たかった…写真、撮りたかった。

新幹線の中では、タクシーの中の続きで作曲に夢中。もちろん、おむすびを食べてからですが。
もっともっとウクレレの音を出したいジェイクは、遂に席を立ち、デッキに出てKazyさんとふたりで作曲を続けました。はい、もうお気づきの方がいるかもしれませんが、この日のふたりは、お揃いのシャツ姿。前日、一緒にお買い物に出かけたふたり、お揃いを買うってどういうことよ、という感じではありますが(苦笑)、まさか同じ日にかぶっちゃうとは! ま、仲良しだしクリスマスだし大目に見てあげてください。私たちは、大爆笑しましたけど。

大阪の夜は、元ソニーレコード勤務のK嬢を誘い、お鍋を食べに。塩味もつ鍋や塩味水炊きなら、ジェイクでも食べられます。大好きな白いご飯とお鍋にジェイクも大満足でした。



ご飯に出かけますよ、と迎えに行ったら、「聴いて聴いて」とジェイク。


お鍋、おいしかったよー!


2009年12月24日
From Japan
東京だより

なんじゃ、こりゃー!?@クリスマス会
大阪に発つのは24日です。ではその間何をしていたかと言えば…、日々是お買い物、というわけではもちろんありません。押尾さんとのリハーサルだったり、各種ミーティングだったりするわけです。

そしてお楽しみはディナー。グルテンフリーに加え、今は、ご飯と一緒に動物性タンパク質を摂取しない食事方法を選んでいるジェイク。要するに焼き肉屋さんに行っても、
大好きなお肉とご飯の組み合わせはNGなので、お肉をレタス(サンチュ)に巻いて食べ続けます。ご飯は食べません。この論理でいくとお寿司もNG!! えぇー、もうイクラのお寿司もイクラ丼も食べられないの?と思いますが、そこはジェイク。時には「スペシャル・デイ」を設けて好きなものが食べられるようにしています。ダイエットも同じですがストイックに入り込みすぎて挫折するより、多少の猶予を自分に与えることで長続きしたりしますものね。

23日の夜は、ジェイクお気に入りのタイ料理レストランで一足早いクリスマス会。昼間はKazyさんとショッピングを楽しんだジェイク、ふたりして随分と買い込んだようです。

さてメイン・イヴェントは、2000円の予算で持ち寄ったプレゼントの交換会『シークレット・サンタ』です。『シークレット・サンタ』とは、アメリカでよく行なわれるクリスマス・パーティでのプレゼント交換方法で、種類はいくつかあるそうです。今回はジェイクが教えてくれた方法で。参加者は5人。まずはプレゼントを選ぶ順番を決めます。最初の人がプレゼントを選び、開けます。次の人は、前の人が開けたプレゼントか、あるいは残る4つのプレゼントのどれかひとつを選ぶことができます。これを繰り返すので、時には気に入ったプレゼントを誰かに奪われてしまう可能性もあるのです。ドキドキですねー。

最後(5番目)にプレゼントを選ぶJ子には、すでに4人が開けたプレゼントの中身が見えているわけで、中身が見えない残り一つのプレゼントを選ぶか、はたまた誰かが持っている何かを横取りして恨まれるか、どちらかです。そして選んだのは、jklub等のコンピュータ関係をお手伝いしてくれているM氏のもとにあったハート型のマウス&マウスパッド。はい、横取りです。だって、可愛いんですものー。そして、このハート型のマウス&マウスパッドをプレゼントに選んで買って来たのはジェイクでした。ありがとう、ジェイク・サンタ!!

一方、ジェイクに渡った青いくにゃくにゃの人形は、J子が選んだものでしたー。ジェイク、お気の毒様!?



押尾さんとリハーサル。当日が楽しみです!


会社に戻るTAKさんに、バイバーイ!


バーニャカウダ&玄米で腹ごしらえ。おいしかった!



お邪魔しましたー@カフェの玄関


ついつい寝てしまうシャンプー台の魔力。


しゃぶしゃぶの後に「アイスクリームも食べちゃえ!」。



ミーティングの合間に。


鎌倉野菜の説明に聞き入る、の図。このお店は屋上で野菜の自家栽培もしているのです。


わーい、ブルー・ボックスだ!!



@神楽坂


中はなんだろうねー?


まだ中身を知らない,幸せな瞬間(笑)。


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