土曜日。
今日も、EXPOでのライヴがあります。そして今日こそは、サイン会も行ないます。
とはいえ、後にはルーズベルト高校での演奏会が控えているので、どんなに遅くとも午後2時までには会場を出なかればなりません。演奏は正午から30分なので、サイン会は1時間15分程度になるね、とJ美とJ子は逆算して備えます。
今日もEXPO会場にはたくさんの人が詰めかけています。前日よりも、地元民や外国人が多く見受けられます。もちろん、日本からの参加者も大勢います。そんな中でのライヴです。MCでは、イギリスでエリザベス女王に会った時の話もしていました。「女王に挨拶をしたんだけど、僕はやたらとたくさんお辞儀ばかりしちゃって、超日本人ぽかったです」とのこと。そうなのです、ハワイのTVニュースではジェイクとベット・ミドラーが女王に挨拶をしているシーンが何度か放映されたのですが、ジェイク、いつもよりちょっと固い笑顔で、何度もペコペコお辞儀してるんです(笑)。
セット・リストは以下の通り。
1. Me & Shirley T.
2. Let's Dance
3. In My Life
4. Orange World
5. New Song(Happy Love Song)
6. Ave Maria (encore)
演奏が終わるとブースまで移動してのサイン会が待っています。が、いざブースに行こうとしたら、先ほどまでライヴの様子を収録していたチャンネル2のカメラマンとパーソナリティらしき人がやって来て、ショート・インタビューをしたいと言います。合点だ!とばかりに、インタビューを受け、さぁ、移動です。
ブースにはすでに長い列ができていました。よく知ったjklubメンバーさんの顔もちらほら。前日の『ルアウ』で初めてジェイクの演奏を聴いて感動したというご婦人ふたりはドイツからやって来たそうです。マラソンを走りに来て、こんなに素晴らしい音楽に出会えるとは思っていなかった、と興奮気味に話してくれました。ダンケ!!
サイン会は予定していた時間よりも早くに終了しました。みなさんのご協力の御陰です。我々にとって、これは、ありがたい! ルーズベルト高校に行く前に、どこかに立ち寄ってランチをして行くことができます(当初は何かテイクアウトしなくちゃね、なんて話していたので)。ジェイクは、最近お気に入りのタイ料理に、マークとレイチェルを連れて行きたいと言います。ルーズベルト高校とは少し離れていますが、行ってみましょう、となりました。が、マーク達が滞在するホテルでレイチェルをピックアップしたまではよかったのですが、ワイキキからアラモアナ方面が大渋滞。週末は、クリスマス・ショッピングの人が繰り出しているのでしょう。
レストランに到着してから出発するまでの約40分、短い時間ながら美味しいタイ料理を食べられて一同大満足でした。すでにご存知のように、グルテン・アレルギーのマークにとってタイ料理は比較的食べられるものが多い料理です。が、注文の際には、ひとつひとつ本当にグルテンフリーであるかどうか確認します。するとどうでしょう、前回ジェイクが来た時には「醤油は入っていない」と言われたパッタイ(麺)に、実は醤油が入っていたことが判明して、ジェイク、ガックリ。再確認しておいてよかったよかった。もし確認しなかったら、マークは醤油入りのパッタイを食べて大変なことになっていたでしょう。危ない、危ない。
ルーズベルト高校に到着すると、すでにオーケストラ+ディーン&ノールはスタンバイ完了。ジェイクも急いでジョインします。男子はタキシード、女子はドレスでおめかししているので、パッと見、高校のオーケストラには見えませんが、ひとりひとりに目をやると、可愛いイラスト入りのリボンが頭についていたり、タキシードの袖が長めだったり、何よりもまだみんな“着られている”感が漂っているのが、ご愛嬌。けれど、彼らが真剣な眼差しで奏でる音は、なかなかのものです。J子の出身高校も吹奏楽部が優秀だったので、ひょんなところで青春時代を振り返ってしまうのでした(J子、毎年定期演奏会を楽しみにしていました)。また、このルーズベルト高校オーケストラは、過去に日本で演奏をしたこともあり、来年3月にもまた来日が決まっているそうです。
サウンド・チェック終了時間がやって来ましたが、もう1曲だけ合わせておこうということになり、延長。すると、ポツリ、ポツリ、客席にはお客さんが。あれーーー??? どうやら会場時間になったから、と、会場しちゃったみたいです。ありえなーい。でも、バツが悪そうなのはステージの上にいる方で、お客さんはお構いなし。「どうぞどうぞ、続けてちょうだい」ってな感じです。って言われてもねぇ。とはいえ、やらないわけにもいかないので、かなり半端に観客がいる会場で、最後の1曲を合わせました。高校のイヴェントで、しかも責任者のグレッグさんは指揮者を兼ねているものだから、完璧な仕切りを期待してはいけない、ってことですね。
楽屋に戻ると、琴の演奏で参加するダリン・ヤマシロさんが、最終チューニングの真っ最中。興味津々のジェイク。「あとで、少し触らせてもらったら?」と言うと、「ダメダメ、こんな高価な楽器は触れないよー!!」とジェイク。そういうあなたは、ちびっこにも自分のウクレレを触らせてますけどね。
そろそろ開演時間です。ジェイクよりも出番が先のダリンが楽屋を出て行きました。が、その後楽屋に出入りする人は誰もいません。外の廊下にも気配がありません。会場の音は、ここまで届きません。さて、どうしたものか。ジェイクの出番は、一体誰がどう知らせてくれるのだ?と不安になり、早めにスタンバイしておこうと一行(ジェイク、ディーン、ノール、J美、J子)は楽屋を出ました。ステージ脇に到着し、そこにいるスタッフらしき子に「今、どの曲を演奏しているの?」とJ美が尋ねると、3曲目を指差すではないですか! え? ジェイクの出番は4曲目なんだけどーーー!!! よかったねぇ、間に合って。3曲目が終わり、ステージからジェイクが出て行きました。すると、何やら空気がおかしい。え、え、え??? まだ出番じゃないってーーーーーー!!! なんと演奏していたのは1曲目。どうやら開演時間自体が遅れていたようです。なんと可哀想なジェイク。照れ笑いしながらステージ袖に帰って来て、J美に「クビだー!!(笑)」。隣に立つスタッフらしき子を恨めしそうに見るJ美ですが、彼女は知らん顔です。あらら。
でも、おかげで、ダリンの琴の演奏が聴けました。「砂山」をアレンジした曲で、もともとはハープのパートだった部分を琴で弾くとダリンは話していました。ゆえに、チューニングが従来の琴とは違うのだ、と。「奇麗な音だねー」とジェイク。J子は「砂山」も好きなので、得した気分です。
さぁ、ジェイクさん、今度こそ本当の出番です(苦笑)。
まずは、ソロで「Ave Maria」を。それからオーケストラ、ディーン&ノールと共に「Tokada」を。この曲のオーケストラ・ヴァージョン、勢いがあってカッコいいんですよ!
ここで一旦、休憩が入り、オーケストラのメンバーが入れ替わります。第一部はシンフォニック・バンド、第二部はシンフォニック・オーケストラの登場、という分け方になっているのです。まずはオーケストラだけで2曲、「America The Beautiful」と「O Holy Night」を。そしてジェイク、ディーン、ノールがジョインして、1曲目は「Dragon」です。中国を舞台にした壮大な歴史ドラマ映画(『レッドクリフ』とか、ですね)のテーマ曲にもふさわしいと思える、ダイナミックな「Dragon」。いいわぁーーー。「Dragon」から一転、軽快に「Orange World」が始まりました。途中、ユーモラスなウクレレのソロに、聴いている人の顔も自然とほころびます。続く「While My Guitar Gently Weeps」ではテンションの高いコラボレーションで観客を圧倒し、「Here,There,and Everywhere」では様々な音色が穏やかな流れを作っていきました。うっとり。そして、締めくくりは元気に「Me & Shirley T.」。
終演後、ジェイクのもとを訪れてサインをもらったり写真を撮ったり、音楽やその他もろもろの質問をしたり、オーケストラのメンバーはみんな必死です。ひとりひとりと丁寧に言葉を交わすジェイク。すべての子と話し終えるまで、1時間はかかったでしょうか。いつものこととはいえ、ジェイクのこの熱心さには頭が下がる思いです。特に音楽というつながりを持つ彼らとの交流は、Music Is Good Medicineの理念を掲げるジェイクにとっては、とても大切なことなのです。たまには女子高生に囲まれるにも、悪くはないよね、ジェイクさん!
会場を去る時、ジェイクは言いました。「みんな3月に日本に行くんだよね。がんばってね。僕もその頃には日本に行くかもしれないから…」なんですと?? 3月はアメリカ本土とハワイのスケジュールでもういっぱいですよ。「ジェイクさん、その可能性はないと思います」「え、そう?」「そうです」ジェイクさんってば…いたいけな高校生に期待を持たせちゃ、いけません。