オーストラリアから日本に戻り2晩過ごしたジェイク。最初の夜こそ、おそばを食べに行って終わってしまったけれど、2日目には過酷なツアーで壊れてしまったスーツケースの替えを買いに行ったり、翌日からのグアム/サイパン・ツアーに備えてナチュラル・ハウスに食料調達しに行ったり、そうそう、kazyさんのお誕生日プレゼントも買ったなぁ。自分の買い物は?って、そりゃ、しないわけが、ありません! 靴、帽子、シャツジャケットなど、買い込みましたよ、今回も。中でもお気に入りは、伊達メガネ。似合うんだな、これが。ちなみに。2日目の夜には、先日行なった羽毛田さんとのレコーディング音源のミキシング、という大切な仕事もこなしました。
さて。3月25日午前6時半過ぎ。ホテルでジェイクをピックアップしたJ子。1日遅れてハワイに帰国するK女史に別れを告げ、いざ、グアム/サイパンへと旅立ちます。早朝の都内は、すいすい。高速道路にも渋滞の情報はありません。うまくいけば、1時間程度で成田に到着するでしょう。ハンドルを握るJ子の隣でジェイクは、「これ聞いてもいい?」と、U2のベスト盤CDをひっぱりだして聴き出しました。「1曲くらいしか、ちゃんとは聴いたことないんだよねー」「じゃあ、聴こう聴こう! かっこいい曲がたくさんあるよー!」と、珍道中の始まりは、実になごやかなものでした。
しかーーーーーし!!!! なぜ、なぜ、こんな時に!? 突然、前を行く車がパッカパッカとハザードをつけて停止しました。「あれれ? こんな所で渋滞なんて、珍しいねー」。成田まではあと30キロ弱といったところでしょうか。最初に出てきた電光案内板には「渋滞5キロ」と書いてあります。「5キロなら、全然大丈夫だねー。まだまだ余裕はあるよ」。と、言ってはみたものの、ぜんぜん車は動きません。あれれー? のろのろ、ピタッ、のろのろ、ピタッ、の繰り返し。ようやく次の電光案内板が見えてきた時には、驚愕の5文字が! 「成田3時間」。「えぇ、成田まで、ここから3時間かかるってこと!? いくらなんでも、それじゃ間に合わないよーーーーー」と、日本語で叫びをあげつつ、ジェイクに状況を説明。地図を開いてみても、当分、高速の降り口はありません。「日本語読めないからナビもできなくてごめんね」とジェイク。「とんでもない!! ここまで来たら、なるようにしかならないけど、早めに手は考えておかないと、ね」と、まずは東京にいるK女史に電話(この後、電話はすべて車が停車している時を狙ってかけ、動き出すと切る、の繰り返しゆえ、これがまた大変!!)。ツアーで御世話になっているプロモーター、ご存知ALCさんに事情を説明しつつ、何か策を練ろうという目論みだったのですが、この時点でまだ7時半になるかならないかですから、K女史も連絡係として四苦八苦。そのうちに、どうやら、我々の行く手を阻んでいるのは、早朝のトラック事故だ、ということがわかりました。こんな時に事故なんて、私たちに恨みでもあるんですかー!? が、不思議なものです。隣にいるジェイクがまったく焦ってないせいでしょうか、J子も「なんとかなる」ような気になってきました。「J子、バナナ食べる?」とか「パン食べる?」とか、前日にナチュラル・ハウスで買った食料が次々と出て来ます。次第に、この状況がおかしくなってきて、ついつい笑ってしまうJ子。
依然遅々として進まない車。あとはK女史が誰かをつかまえて、航空会社(もちろん、ツアーの協賛をしてくれているJALさん!)に話を通してもらい、ギリギリでもグアム行きの便に乗せてもらえるようお願いしてもらえることを祈るのみ。というわけで、ここはひとつ神頼みってもんにすがってみましょうとばかりに、ふたりして「神様、お願いしまーーーーーーす!!!」。それでも間に合わなかったら……、いやいやこういう時に後ろ向きな想像は御法度です。
おっとK女史からの電話だ。動いている間は話せないので、ジェイクが話し、止まるとチェーンジ。「予定便の後にもう1便あるけど、すでに満席だって。とにかく、できるだけのことはして朝便に間に合うように努力はしてみて」との命に、「はい、がんばります!」とドライバー。ジェイクはと言えば、「明日の朝便でもライヴには間に合うよねぇ〜」。「でも、その便に空席があるとは限らないしねー」「そうかぁ」…こうなるともう、U2どころじゃありません。電話の呼び出しを聞き逃さないように、話が聞こえづらくならないように、ジェイクの細やかな心遣いで、いつの間にか音量は下げられ、遠くでかすかにボノの歌声が聞こえています。
と、そこへALCのマサさんから電話が。車は少しずつですが、動き出しました。が、先はまったく読めません。「今、どの辺りですか?」「成田まで25キロってところか、と。だいぶ進み始めているので、このまま高速を走ろうと思うんです」「分かりました。JALさんにはお願いしてありますから、とにかく向かってください」「了解です」と、電話を切って10分ほど経った頃、事故現場を抜けました。「やったぁー!!」とジェイク&J子。が、ここで無闇にスピードをあげたり、気を抜いたりして事故でも起こしたら取り返しがつきません。「安全運転、安全運転」と言い聞かせ、成田へ向かってひたすら走ります。空港に到着したのは、飛行機の離陸予定時間、45分前。通常なら国際線には乗せてもらえない時間です。が、当然のことながら成田にも事故の情報は届いており、すんなり手続きをすませて搭乗口へ。あー、よかった! K女史、マサさんはじめALCのみなさん、JALのみなさん、ありがとうございましたー!! にしても、「成田3時間」の表示は、いかにも大袈裟。それくらいは覚悟してください、ということで多めの時間を見積もっていることは分かるけど、でもねぇ〜〜。マジで肝を冷やしましたよ、初日から。
グアムまでは3時間の飛行時間だとアナウンスがありました。初グアムのJ子、「へぇー、本当に近いんだねー」とひとりごとの後は、スーッと眠りに入り、目覚めたのは着陸前のご飯時。ゆっくり寝てるヒマもありゃしない!(笑)
到着したグアムは、噂には聞いてましたが、暑い暑い!! 荷物をピックアップしたジェイクを待ち受けていたのは、地元でウクレレを習っている子供達の一団です。もう、それはそれはすごい歓迎ぶりで、いきなりの撮影やサインぜめ。他の御客さんの迷惑になっているであろうけれど、どうすることもできないくらい。ひぇーーー。ごめんなさーい。でも、子供達(と一緒にいる数名の父兄とおぼしき人も)は、本当にうれしそう。一団を率いるのは、グアムでは知る人ぞ知るウクレレ・プレイヤーにしてウクレレの先生を務めるボビーです。ボビーと子供達については、この後で、また! 結局空港を出たのは、荷物をピックアップしてから30分以上経ってからのことでした。
暑いとはいえ、この時期のグアムは乾期にあたるので湿気がないだけありがたい、といったところ。「湿気がないのは、いいよね」とジェイクに言うと、「ブリブリ、ジャナイ…だっけ?」「ブリブリ??」「違ったかな? 湿気がある時のこと」「…それは、ジメジメのことだね」「!! ジメジメダ!!」。「ブリブリじゃ、ぶりっ子になっちゃうよ」「ブリッコって何ですか?」「ぶりっ子はね…」(以下、英語でうまく説明できないのでやってみせたJ子。ジェイクが正しく理解したか否かは不明)。
ハワイからやって来るJ美の到着までは、まだ時間があるので、町へ散策に出かけることに。グアム2度目のジェイクだけど、島内の地理を把握しているわけでは、ありません。でも、まぁ、歩いていれば何かあるよ、と、お気楽コンビは後先考えずに歩き出します。途中で「もう少し先にショッピングモールがあるよ」と教えてもらい、歩を進めて行くと、高級ブランドの名前が並ぶ建物が。「じゃ、買い物でもしようか。僕はティファニーが好きだからね」「なら、私はエルメスへ寄って行こうかな」と、不毛な妄想=セレブごっこはほどほどに「モールって、これのことだったのかなぁ?」と不満げなふたり。するとと、ジェイクが「あ、PLANET HOLLYWOODがあるよ! あれには見覚えがあるから、あの辺りまで行けば、いろんなお店があったはずだ!」そういうことなら、もうひとがんばり歩こう、とてくてく。ようやく辿り着いたアパレル中心のモールでは、当初予定していたビーチサンダル購入を果たしたばかりか、余計な散財まで。確かこのふたり、昨日も散財してるはず。「これ以上ここにいたら危ないよ」とふたりでそそこくさとモールを出ましたが、手にはしっかりと戦利品(と言っていいのか!? 欲には負けているのに……)が。
ホテルへ戻ると、ちょうどフロントでチェックイン中のJ美を発見。これで今回の珍道中メンバーが揃いました。
現地プロモーターさんらと打ち合わせを兼ねたディナーの後は、ボビーのステージを、繁華街にあるホテルまで観に出かけました。前回グアムを訪れた時に知り合ったジェイクとボビー、そしてボビーの教え子たちですが、その後もずーっと交遊は続いています。昨年はJ子も、ホノルルのウクレレ・フェスティバルや、ジェイク&ブルースが演奏しているご存知『コーヒー・トーク』で、彼らに遭遇しました。
夜10時過ぎだというのに、ステージの周囲には子供達がわんさか集まっています。ボビーが「ジェイクが来るよ」と声をかけたのでしょう。自分のウクレレは持って行かなかったジェイクですが、ボビーに渡されたら断るわけもありません。そして、いつの間にかホテルのラウンジは、即席ウクレレ教室に早変わりしていました。子供達のスキルはとても高く、素晴らしい演奏を聞かせてくれます。そして、ジェイクがそこにいるからには、教えてもらいたいことがたーくさん!です。食い入るような真剣なまなざしを、一斉に向けられたジェイク、帰り道には「子供達の熱心さ、ウクレレへの情熱には、すごく刺激を受けたよ!」と興奮気味に喋りまくっていました。
初日からもりだくさんの珍道中。明日は、グアム大学主催のイヴェントに出演ですが、これがまたなんだかとってもすごそうなイヴェントなのです。アイススケート・ダンスの後にジェイクって、一体何? どういうこと!?!? ここはグアムなのに!? 会場はホテルの中のイヴェント・ホールのはずなのに……!?